ディレクターのナガハラです。
近頃はサイト案件では今までのような純粋なデザインや機能の要請だけに留まらないケースが増えてきました。一番わかりやすいのは「iPadやスマートフォンでも使えるようにしてもらいたい」というケース。ビジネス系のサイトの場合は、商談中にiPadでサイトを見せたり、取引先の人にスマホでその場で見てもらう、という使い方が多くなってきているようです。
レイアウトや仕様面だと、この場合はレスポンシブが必須になってきていると言えるかもしれません。ビジネス以外の場合は、タブレットやスマホで利用してもらうコンテンツを絞る場合もあるので、必ずしもレスポンシブではなく、デバイス判別でコンテンツを出し分けるケースもあります。
さて片や、一般の潮流では未だにソーシャル熱が冷めません。一部では、TwitterやFacebookの利用者増が頭打ちになっている、といった情報もありますが(自分でも時々「ソーシャル疲れかなぁ」と思うこともありますが)、まだまだ最低でも2~3年は、コンシューマー向けのマーケティング施策でソーシャルメディアを意識しないわけにはいかない状況が続きそうです。
現在の主流は、ページのURLを共有してもらう、という形のものが多いと言っていいと思います。が、FacebookやTwitter側ではとても早いペースで新機能開発が進んでいて、ソーシャルメディア側でどんな風に見せるか、そのコントロールができる機能もリリースされてます。
割と使えるかも、と思ったのは「Twitter Cards(Twitterカード)」の機能。URLだけがツイートに引用されても、その先の内容がなんだかわからないからクリックしない、というケースは非常に多いと思いますが、この Twitter Cards は共有URLの見出しやサマリー、画像をツイートにそのまま表示できる機能です。140文字という制限を越えて訴求力を向上できる機能と言えそうです。
そんなわけで、かつてはPCで見た時の表示にこだわって要望を取り入れてガチガチに作り込んでいたWebの情報は、本家ページでの演出だけではなく、そこから先の使われ方まで考慮して構築されるものになって来ていると言えます。
Webは「閲覧される」ものから「利用される」ものへ。
従来は閲覧=利用と言ってよかったかもしれませんが、ソーシャルメディアが定着した現在では、引用先でどういう機能を有効にするのか、その選択と判断もできるわけで、情報ソースをどう利用してもらうか、利用させるか、という視点にシフトしてきたと言えるかもしれません。
ただ、旧来の印刷や出版メディア的な編集やデザインという感覚からすると、そもそもの考え方がまるで異なり、全て狙い通りに作り込む、ということがますます出来なくなるわけで、ちょっと寂しい感覚もなきにしもあらず、でしょうか。
権利面では引用や転載の条件が付きまといますが、その点も配慮しながら、より効果のある活用方法を探る、そんな方面もご要望に応えて行きたいと思います。
by Nagahara(Director)