ディレクターのナガハラです。
このところ米国トランプ旋風に絡んで、「フィルターバブル」という言葉が注目されているのをご存知の方も多いと思います。
テレビや新聞でも取り上げられてますね。
今日では、ニュースも含めて情報の取得手段はネットだけ、という人が大分増えて来ています。若い人だけに限らず、中堅ビジネスマン層でも、10年くらい前でも既に「新聞や雑誌は読まない、ニュースは全てネットで見ます」という人に会うことがちらほらありましたが、もはや主流と言っていいのかもしれません。
電車に乗っていても、新聞を読んでいる人を見かけることは本当に減りました。
ちなみに私は主に新聞から情報を得ます。ネットニュースも見ますが、ヘッドラインや緊急ニュースのチェックが目的です。
メディアの違いはそれぞれ特性があって、それぞれ良し悪し、向き不向きがあります。
これについてはいろんなところでさまざまに論じられているので、ここではひとまず省略しますが、直感と主観で言えば、テレビは離れたところのものもリアルな映像とともに見ることができる、ネットは好きな時にどこでも見ることができ、情報が早くいろんな関連情報に繋がっている、新聞は、即時性には劣るが、幅広い情報を詳しく知ることができ、継続的にトピックを深く掘り下げて知ることができる、という点がそれぞれポイントかと思います。
さて私たちは、日常的にWebを扱っていて、間違いなくネット時代の中心にいるわけですが、過去10年の動向によりSNSの占める比重が特に大きくなってきました。
参考リンク:SNSの利用率(総務省平成28年情報通信白書)
もともとSNSは自分と近い、価値観や考え方が近い、似た好みや同じ趣味を持った人同士が交流しやすくすることがそもそもの目的ですが、これに加え、Facebook、Twitter、Instagramなど主要なSNSではユーザーの登録した属性情報や「いいね」などのアクティビティ、投稿内のキーワードやハッシュタグなど、ビッグデータと呼ばれるものを利用して、ユーザー一人ひとりに対してパーソナライズ化したオススメ投稿や広告配信がされるようになってきています。
一昔前は、Amazonのレコメンドシステムが高精度過ぎで気持ち悪さすら覚えましたが、Googleの広告アルゴリズムもやはり高精度で、今やすっかり当たり前のものとして馴染んでしまった気すらします。相当のパーソナライズ情報が利用されていることを意識せざるを得ませんね。
ニュース系サイトでも、今見た記事の関連記事や、検索履歴のワードからおすすめ情報を提示する機能が普通になっています。
ここで、気になる「フィルターバブル」ですが、簡単に言えば、インターネットでは自分が気に入った分野や趣味趣向の情報に溺れてしまう現象を指しています。ちょっとこれだと極端な言い方ですが、「フィルター」とはネット上のサイト側の機能(レコメンドなどが該当するでしょう)によって情報が利用者の好みに合ったものだけに絞られ、それとは違う種類の情報が入って来にくくなることです。「バブル」とは、そうして選別された限定的な情報やネットワークの中に閉じ込められてしまうことを泡に例えたものです。
昨今では、これが思想や社会の分断にも繋がるのではないか、という危惧を呼び起こしていますね。
参考:フィルターバブル(Wikipedia)
日頃ネットやSNSを利用している時に目にする情報が既に「フィルター」を通って来ている。恐らくこれは承知の方も多いでしょう。ただ、限定された「泡(バブル)」の中に囚われている、というふうに考えたことはなかなかありませんでした。
これらを考えた時に、やはり意識して広いメディアにアンテナを張って情報に触れないといけないと思うわけです。自分でも油断すると、このフィルターを通過してきた情報が言ってみれば自分の好みや趣味に合致しているので、いい気分にさせられてしまう。が、ちょっと待った。
なかなかテレビを見る時間は取りにくいですが、あえて紙の新聞を読むといろいろと気付きや発見があります。
一番の特長は、紙の新聞には「一覧性」という他メディアにない利点があること。1ページの中に、さまざまな分野の記事が納められています。また、あまり気付いている人は多くないとは思いますが、新聞だと、4つに折りたたんで読まれることが多いわけですが、その時に、必ず別の見出しや記事の一部がチラ見できるようにレイアウトされています。それによって、いろんな情報が目に触れるよう工夫されているわけです。
(このあたりは我々Webを作る時にどう応用できるかな、ということもたまに考えます)
いろんな雑誌を手に取ってみるのも新たな発見に満ちています。書店だと隣に並んでいる本を何の気なしに見るのも実に楽しいものです。
(そういう意味では、コンビニで雑誌を立ち読みできなくなったのが実に悔しい)
特にデジタルネイティブな世代の若手にこそ、改めて意識してみてもらいたいと思います。
さて、一気に書いてしまって散漫になりました。
そんなアジンコートでは増員も目指して元気な人材を募集中です。
いろいろメディア好きな人は大歓迎なので、よろしくお願いします!