私達は考えてみるとこれまでに10余年、様々なWebサイトを作ってきました。
インターネットで公開するサイトのほか、業務で利用するデータベースシステムやイントラサイトの構築事例もありましたが、その全てで常に基本に置いてきたのが「情報設計」の考え方です。近年では「インフォメーション・アーキテクト」や「情報デザイン」といった呼び方でかなり体系的な研究が活発に行われているようです。
直感的な表現をすれば、サイトやシステムで取り扱うあらゆる情報(コンテンツやデータ)を、その種別、特性、用途を分析し、できるだけシンプルで機能的な階層リンク構造に整理する、ということだと考えています。2005年頃までは今ほどポピュラーな考え方ではなかった印象がありますが、今日のように情報の追加更新が活発になったサイトの構築には不可欠なものとなりました。
デザインを作るとき、単にスタイリッシュで好印象のものを作ればいいというわけではありません。必要な情報をただ無理やり押し込んでしまっては雑然としたサイトになってしまいます。重要なコンテンツがスムーズに参照でき、関連情報にも直感的に誘導経路を設け、全ての情報を活きたものとして組み込んでいく必要があります。
これから作るサイトはどんな情報をカバーしなければならないのか?
格納した情報が適切に参照できるようにするにはどんな構造・機能が必要なのか?
リニューアルや新規構築の際には、まずこの点を企画作業で掘り下げていきます。デザイン作業でも、この点を充分に理解した上でレイアウトしていく必要があります。
ただ、こうした構造設計をしていくと、ビジュアルデザインや画面領域との兼ね合いで干渉しあうケースが多々あります。また素材としてあらかじめ用意されているものだけでは足りない場合もあり、こうした場合には情報の追加も検討が必要です。
この点が悩みどころで、どんな案件にも必ず付随してくるので、日々知恵を絞っています。
by Nagahara (director)